技能実習制度の利用を検討する皆様へ

受入側:「技能実習生は安い労働力ですか?」

監理側:「いいえ、100%安くありません!

即答です。勿論、ご相談を受けた際、このような冷たい表現まではしませんが、
一応、御質問の答えも含め、技能実習制度の本音と建て前も含め、
お時間を頂ければ、分かりやすく御紹介します。

よって、「技能実習生は、安い労働力です」と近づく営業に
便乗されないようご注意ください。

費用的な質問から入る方が多く見られますので、先に御解答しておきます。

(経費換算)

日本人従業員 < 技能実習生 < 人材派遣

こういった状況でしょうか。
日本人を雇用するより高額であることを前提に、この先をお読み下さい。

簡単に言えば、
面接渡航費・事前教育費・渡航費・配属前の講習期間における生活費(講習手当)、
宿泊設備、検定試験、各種手続き費用、監理費用、帰国費用・・・

日本人を雇用する条件プラス、以上のような経費が加算されるのです。

受入側:「でも、3年間は働いてくれるのね?」

監理側:「いいえ、保証できません

技能実習生も「人」です。意欲が低下したり、御家族の都合で、途中で帰国したり
逃げ出す人材もいます。

では何故、そのような諸経費が発生するのか?

受入側から見れば「労働力」、技能実習生から見れば、「出稼ぎ」ですが・・・

 

技能実習制度の目的・趣旨は、我が国で培われた技能、技術又は知識(以下「技能等」という。)を、開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという、国際協力の推進です。
(国際研修協力機構(JITCO)より引用)

このような「建て前」が存在する中に、それなりの諸経費が発生するのです。

 

受入側:「技能、技術修得を目的とするならば、学ぶ側が支払うのではないの?」

監理側:「・・・・・」(心の声:野暮な質問はしないで下さい。大人の事情です)

 

技能実習制度を知る人・知らない人も行き着く疑問です。
この点での解釈は、国際協力に参加する受入企業側の都合で支払うべきという答えに。
嫌なら受入しなくていいですよ、って意味でしょう。

 

また、上記コストに加えて、「技能実習生には日本人同等以上の・・・」
とあるように、間違いなく日本人同等以上の給与にて支給せねばならないため、
安くはないのです。

制度の概要、費用的なことは簡単に理解していただき、
続いて技能実習制度の利用を検討するに至った経緯を、
受入側・監理側、双方確認しておきましょう。

 

受入側:「現地法人があって・・・働く方々の技能・技術・知識の向上のために・・・」

監理側:「はい、素晴らしい制度です。即活用しましょう!」

そんなケースは、残念ながらほとんどありません。

 

受入側:「弊社はなかなか人手が集まらなくて・・・」

監理側:「ちょっと待った!

「労働力不足」を理由に、利用を検討されている皆様、双方に要注意です。

経営者の皆様、職種の要因、人口の過疎化だけが労働力不足の要因でしょうか?
市町村内において、就業時間帯に労働者は0でしょうか?
どこか他の事業所で働いている人はいませんか?

まずは労働力が集まらない分析、対策を講じてみましょう。

日本人を雇用する方が苦労も少なく、経費も安くなります。

(雇用条件の改善・社風・機械化・求人方法など・・・)

 

■技能実習制度活用のメリットは何?

ご紹介する方の個人差はありますが、

① 若年労働力雇用による、社内雰囲気の活性化

② 安定した労働力(3年間)

③ 可視化教育推進による、教育指導の向上(労働関連法の社内整備見直し)

このあたりのご紹介で興味を示して頂ける経営者の皆様は、
失敗を回避する可能性が高いと思います。

新しく、やる気に満ち溢れた人財が活き活きと労働に励めば教え甲斐もあります。

まして、外国人ともなれば、日本人以上にお世話・配慮をし、
分かりやすく指導されることが自然の流れとなります。

失踪・途中帰国無く、モチベーション高く実習していただければ、
受入側都合で3年間、8時間勤務に励んでくれると思います。

 

●では、どの監理団体を通じて受け入れを開始した方が良いのか?

経費的な試算も大切ですが、知人紹介でもない場合、技能実習機構(OTIT)
または、国際研修協力機構(JITCO)への相談を選択肢に入れましょう。

悪質な監理団体の紹介は無いと信じるしかありません。

相談の際に、該当職種に尽力しているか否か、希望の送り出し国があるのか否か
相談内容のポイントは多々あります。

また担当者となる方と直接会い、相性を図ることは最も重要になります。

 

●どこの国の人材が良いの?

中国(漢字圏)・フィリピン(英会話)・ベトナム(みんな受け入れしてるから)

宗教上の違いによる礼拝の習慣、食文化の違い(牛肉・豚肉などの敬遠)
この程度の違いはありますが、国による大差はありません。

採用する個人の問題です。

当然ながら、どの国にも「良い子」もいれば、「残念な子」もいるのが現実です。

 

●海外面接へ

日本人の採用機会も少ないのに、自信が・・・

心配ありません。

経営者として、高額な渡航費を支払い、
想定される技能実習生の年収×採用人数の投資を行い、
採用した技能実習生を3年間雇用する決心があれば、

監理団体が真摯にサポートにあたりますので、大きな間違いは起こりません。

 

●日本語能力は・・・

過度に期待しないで下さい。
基本的には生活上、支障の無い状態では配属されます。

ただし、職場の皆様の通常会話に入国当初より対応するのは難しいと考えて下さい。時には身振りで手振りも含め、ゆっくりと接する必要もあります。
また、時間と共に、少しずつ語学力の成長も期待できます。

 

●即戦力になりますか?

なりません。
技能・技術を教える制度です。

もし、即戦力になり得る潜在能力を知りたい場合は、海外面接の際、
自社業務を持参し、実技試験として自身の目でお確かめ下さい。

 

●残業はしてくれますか?

はい、してくれます、喜んで。
ただし「36協定」内と、「技能実習計画」に齟齬が発生しない範囲で。

「36協定」…時間外労働・休日勤務などに関する労使間の協定書です。

今まで縁もゆかりも無いと考えていた皆様、
敢えて役所関係の目を敬遠していた皆様、

技能実習制度の利用は漏れなく、役所の監査の目に止まりますので、
法律に従う覚悟が無い場合、制度活用は見送ることが賢明です。

「そんな経費の余裕が無い…」

そのようなしわ寄せが技能実習生に向かえば、当然痛手を負うこととなります。
下手をすれば、労基監査の呼び水とすらなってしまいます。

「技能実習計画」との齟齬…技能修得に要する時間です。

制度の建前上、日常業務と考える「仕事」を、専門用語に置き換えた計画書を提出 することになります。(監理団体が作成を補助します)

そこには残業時間は含まれません。
よって、多少の残業時間において、技能修得に励むことは問題ありませんが、たとえ36協定内であっても、技能実習計画に対し、大幅な残業を行った場合、「計画との齟齬」という判定が下り、

是正勧告(行政指導)

を受けることもあります。
この指導に対し、速やかに改善に取り組まない場合、継続的な技能実習生の受入れが実現できなくなる場合もあります。

 

●技能実習生が配属されたら・・・

継続不可能な過度な待遇・お世話は控えて下さい。
法令遵守が最低限の条件となります。
法令も含め、管理・指導のコツなどは、監理団体にご相談下さい。

監理団体は人材派遣とは違い、監査報告をお役所に提出する立場でもあります。

丸投げできない部分があることも御了承下さい。

 

●技能実習指導者、生活指導員とは?

簡単に言えば、
技能実習指導員:「仕事を教える方」、
生活指導員:「生活を補助する方」、
と言えます。

技能実習指導員は想像がつくかもしれませんが、生活指導員は日本人従業員では不要であるため疑問に抱く方もいるかもしれません。

ゴミ出しのルール、病気の際の配慮、生活用品購入の際の補助など、技能実習生が仕事・生活を含め、何事も相談できる雰囲気を作れる方が適任です。

 

●監理費とは何に使用されるの?

受入側の皆様に対し、担当する職員の人件費・交通費を中心に、海外面接渡航同行費用も含め、事務書類の手続き費用も含まれております。
(一部、別途支払いもあり)

徴収内容も明示可能ですが、月々実習生1名あたり約3万円~4万円であれば相場とも言えます。

監理団体側も、技能実習生の受入れ1年目で、「黒字」になることはありません。

2年目・3年目という継続的な受入れを実現して、監理団体の運営が軌道に乗ります。

 

●監理団体(担当者)は何をしてくれるの?

海外面接の手配から、採用の助言、入国前・入国後の教育を始め、配属後も1ヶ月に1度は訪問し、相談・指導にあたります。
勿論、電話相談等も受け付けてます。
(1年目の月一訪問、並びに3年通して3カ月に一度の監査訪問は必須業務です)

実習実施機関(企業)と技能実習生の3年間に寄り添いつつ、時には厳しく監理・指導をしていく立場として受け止めてください。

決して派遣会社のように、至れり尽くせりの「サービス」を提供する立場ではない
こともご理解下さい。

 

●気になる具体的な経費金額(相場での紹介となります)

お付き合い先の監理団体や地域によって異なりますが、徴収名目・金額に大差は無いと思います。

金額差は、監理団体の人件費・交通費などに充てられますので、受入側より遠方の監理団体を利用することはお勧めできません。

①(海外渡航面接費用) 約10万円前後

渡航される送り出し国、滞在日数により異なりますが、面接渡航者の方の

* 往復航空券(渡航先の国によって大きく変わります)
* 宿泊代
* 交遊費用

以上のような費用が発生することを、ご承知おきください。

②(受け入れ準備金) 約30万円前後

技能実習生の配属までに必要な費用です。

* 入国前・入国後講習費用(日本語学習など) 約10万円~15万円
* 技能実習生の渡航費用(帰国時分も含む場合あり)約8万円前後
* 講習手当(技能実習生の初任給までの生活費用) 約6万円前後
* 技能実習生が加入する任意保険         約3万円前後
* その他、事務処理に伴う、印刷費用・郵送費用など

概ねこのような経費に対する費用が、受入側の皆様へ請求されます。
国によってもかかるコストに違いがある場合もあります。

③(宿泊施設 生活備品) 約20万円前後

採用される技能実習生の人数・ご用意される宿泊場所の数によっても異なりますが、一部屋を目安にご紹介させていただきます。(契約先により敷金礼金なども要)

日本人の生活用品と同じです。しかし技能実習生は海外からの渡航者であり、未だ収入の無い人材ですので、現地より持ち込み不可能な大型家電などは、受入側の準備が必要となります。

例) テレビ・エアコン・洗濯機・炊飯器・寝具・自転車など

全て新品である必要はありません。配属初日からの生活に支障が無い必要があります。

④(監理費用)月々 技能実習生1人あたり 約3~4万円前後

監理団体に支払う金額です。地域や職種によっても違います。
送り出し機関へ支払う管理費が含まれている場合もあります。

⑤(更新費用) 技能実習生は1年ごとに滞在のための更新手続きが必要です。

* 技能検定試験費用(職種により異なります) 約2~数万円
  注:3年実習の際は1年目と3年目と、二度必要になります。
    また3年目の検定コストは1年目と比べて割高な場合が多いのが現状です。
* 収入印紙費用(監理費に含むか否か、ご確認ください) 1人:4000円

 

●監理団体との相性が悪い

監理団体としての問題なのか?担当者レベルの問題なのか?
監理団体の変更(乗り換え)も可能です。(諸状況によります)

ただし、受入側の個別要求に対する、対応不良と感じる際などは、新たな監理団体ともマッチングする可能性があるとは言えませんのでご注意下さい。

例)「現場に来て、仕事を指導して欲しい」「接待交際が物足りない」など

 

●その他、監理団体の有効活用

監理団体は技能実習生の派遣を主たる業務としているわけではありません。
傘下の企業のスケールメリットを生かし、様々な有益な事業を展開しています。

技能実習生受入れ以外に、特典となる利用方法もありますので、ご相談下さい。

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