『組合設立』&『監理団体認可申請』のポイント

組合設立のポイント

新法により、非営利団体で認可を受ければ、
実習生受入れ事業は開始できることになりました。
組合(事業協同組合)である必要はなくなったのですが、
前例がないこと、
既存の団体であり非営利団体で且つ実習生事業の開始を目的とする団体がないため、
事実上、組合=実習生事業の構図は変わっていません。

組合を設立するためには様々な処理が必要です。
その時々にポイントがありますので注意が必要です。

発起人=理事の人選

理事個人というより理事が運営している会社について、
将来、実習生事業を行う為には注意しておくべきポイントがあります。

理事の会社の業種、地域はできるだけ絞ること

→設立時点では職種と地域によって認可省庁が違います。
スムーズな設立を目指すためには、
同一道府県内、単一業種であると事前協議の際に説明が簡単です。
業種と地域は組合設立後に追加した方が労力は少ないと言えます。

業種追加の場合、実習生受入れを視野に入れる必要があります。
その際、監理団体の計画書作成指導者としての資格として、
その業種の経験が5年以上ですので、
実習生受入れ企業が決定している場合、
その業種経験を5年以上持つ理事がいればベストです。

 

共同事業のポイント

組合は相互扶助の前提があるので、
実習生事業のために組合に加入することは原則NGです。
あくまで実習生事業以外で組合に加入するメリットがあることが求められます。

また、来るべきOTITの認可に備えて、
決算上、債務超過がない状態を作り出す必要があります。

決算を黒字にするためには、
係る経費を抑え尚且つ利益を出す必要がある為、
共同事業での収益は非常に重要です。

係る経費例)

人件費 事務1名 月給150,000円×12か月=1,800,000円
交通費      月額30,000円×12か月=360,000円
賃貸料(事務所) 月額50,000円×12か月=600,000円
通信費      月額30,000円×12か月=360,000円
雑費       月額30,000円×12か月=360,000円

ざっと算出しただけでも年間3,480,000円ほどの
コストがかかることになります。

これを協同事業にて賄わなくてはいけませんので
かなりの経営努力が必要です。

共同事業の例

共同事業は組合員が等しく利益を享受できるものである必要があります。
新規参入は事実上不可能ですが、ETC事業がその典型です。

ETCは業種に関係なく、
時間帯によっては割引が発生することで経費の削減になります。
他には、、、

・ 物品の共同購買事業

各会社にて発注していた物品を組合全体で発注することにより単価を下げ、
下がった価格分を組合及び企業にて享受するやり方です。
単一業種であれば、物品の選定が容易になる為、
事業計画が立てやすいメリットがあります。

・ 電力の共同購買事業

新電力と呼ばれるものです。上記物品と同じ方式です。
メリットはETCと同じく業種関係なく使用するものである点です。

・ 物品販売事業

組合で一括購入したものを組合員に販売するものです。
共同購買と同義。
組合事業の建前を遵守したうえで品目を選定する必要があります。

例)蛍光灯、文具、事務消耗品、作業服 等々

・ 教育事業

組合主催にて勉強会等を行い、参加費を徴収する方法です。

共同事業以外の収益

事業として組合員が協同で行うことは必須ですが、
正直これだけで黒字決算、債務超過無の状態を作り出すことは非常に難しいです。

そこで、下記の方法との合わせ技が必要になります。

・ 資本増強

組合出資金は運転資金としては計上できません。(預り金扱い)
そのため、運転資金の確保のためには賦課金をうまく活用することになります。

賦課金には、月又は年定額を徴収する(名目は組合費)方法と
不定期に徴収する方法がありますが、
厄介なのは組合員からは一律で徴収しなければいけない点です。

実習生受入れだけのために組合に加入した企業からは
賦課金は非常に徴収が難しいため、
設立当初、理事のみが組合員の状態のときに賦課金を徴収しておくと、
決算であわてる必要がありません。

・ 支出の抑制

経費の中で最も大きいのは人件費です。
これを抑えるためには設立~実習生受入れまでは
組合業務を理事で行っていることにすることです。
但し、その場合は機構認可の際、
理事の常勤性を証明することが必要になります。

注)常勤性とは?

OTITの実地調査で指摘:組合での社会保険証交付が最も効果的

出勤簿、給与台帳等で証明することも可能ですが、
後で作成が可能な書類である為、信憑性が薄いと判断されます。

・ 決算は1期でもOK

OTITの監理団体認可必要書類の中に、
決算書、納税証明書が2期分と記載されています。
新制度施行前はこれがネックとなり、
新規の組合立ち上げは3年以上かかると思われていました。
しかしこれはあくまで存在するのであれば2期分、
すなわちなければ1期でも可
(実際に1期決算のみで認可された団体もあります)
が正解の為、実際は新規立ち上げでもかかる時間は今までと大差ないと思われます。

新制度施行以降、例え半期であっても許可が下りています。
よって、劇的に時短が可能な現実が起きています。
ただし、お役所が間口を緩めたり締めたりすることは、ままありますので、
設立のタイミングで都度OTITに確認することが無難です。

 

監理団体認可申請書類のポイント

監理団体認可の基準は
監理団体として技能実習を行うことができる証明
を文書にて行うことです。
その団体のヒト、モノ、カネが適正か?
書類全体で齟齬なく証明できれば、おのずと認可はおりるでしょう。

監理責任者が代表の法人は本人が監理できない

例えば、理事長=監理責任者(1名)だった場合、
理事長が代表を勤める法人の監理ができないため、
別の監理責任者を置く必要があります。

・ 実は入管での処分履歴はOTITでは把握していない

恐ろしい話ですが現実です。
実際に是正処置経過期間中の組合が一般監理団体として認可されています。

・ 技能実習計画指導者の経験は5年以上必要。

今後職種を広げるのであれば、その職種の経験もあったほうが良いですね。

OTIT実地調査のポイント

監理団体認可申請から認可の間にOTIT職員による実地調査が行われます
*地方事務所・支所によって必ず監理団体事務所に来る場合と来ない場合があるようです。また、許可が下りた後に前後して調査にくる場合もあります。

・ 債務超過決算書の場合、3年以内に債務超過解消すること

実習生事業の利益で債務超過解消するとの説明はNG
あくまで実習生事業以外の事業での健全な財務体質が可能であることを証明すること。

・ 1号実習生がいる企業の月1回の巡回指導は履歴で証明

ETCカードの履歴(日付)と監査報告書の日付を照合した例もあります。

・ 理事=監理責任者=指導員だった場合は、理事は無報酬であるとすれば、出勤簿のみでもOK。

*オマケ

監理団体の債務超過に対する第三者の評価書についての指摘

2018年1月にOTITの実地調査での指摘及びOTIT本部(監理団体審査)から
第三者評価書の内容についての指摘がありました。

当初、債務超過の組合に対しては第三者の評価書が必要のみ記載されていたので、WORDでA41枚に“〇〇協同組合の財務体質については問題ありません”の一文のみ
記載して出した組合がありましたが、当然撥ねられました。

その時の指摘が、
「3年間で債務超過の状態を解消する具体的な数値入りの計画書を作成し、それが実行可能であることを第三者に証明してもらう文書にしなさい」でした。

その際、実習生事業での利益を見込んでの計画書はNG、
あくまで実習生以外の共同事業で債務超過解消が条件でした。

*もう一つオマケ

別企画のアベンジャーズのお一人から、以下資料を無償提供いただきました。
ご参考まで。
注:この資料を参考にすれば監理団体組合を設立できるワケではありません。
  一概に言えることばかりではありませんし、時の流れで変わる場合もありますので、
  くれぐれもご了承願います。

協同組合設立説明資料
http://37-man.com/kumiaisetsuritsushiryou.pdf
チェックシート
http://37-man.com/checksheet.pdf

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